共済事業継続のためには、認可特定保険業の認可取得が必要です。その為には、まず共済事業の現状を分析するとともに、共済事業に属する財産、収益等を公益目的事業や共済事業以外の収益事業から区分して把握し、保険業法に従って妥当な事業計画を策定することが求められます。またこれら一連の作業は、公益認定や一般法人への移行認可を受けるためにも不可欠な作業であり、新法人への移行準備と並行して行なうことが必要です。
現在の公益法人は、公益法人制度の改革により、平成25年11月末までに、公益認定を受けて新公益法人に移行するか、あるいは一般社団・財団法人に移行する必要があります。
現在共済を運営している公益法人が、公益認定を受けるためには、以下の要件を満たす必要があり、収益事業である共済事業の事業計画確定が公益認定申請の重要な前提資料の一つとなります。
新公益法人が公益目的事業を行なうに当っては、無償または廉価な対価を設定することにより、受益者の範囲を極力拡大することが求められています。この観点から新公益法人においては、公益目的事業を実施するに当たって、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならないこととなっています。
この「収支相償原則」の判定においては、当該公益事業単体ではもちろんですが、収益事業からの収益も反映して考えることが必要となります。すなわち、収益事業の収益の50%以上は、公益目的に使用する必要があり、共済事業等からの収益も含めて「収支相償」が成立していなければなりません。
公益法人は、本来公益目的事業を行なうことが目的であり、公益法人が行なうすべての活動の規模に占める公益目的事業の規模の割合を示す「公益目的事業費率」が、少なくとも50%以上なければならないことになっています。従って、収益事業である共済事業の比率が高い場合には、特に注意が必要です。
公益法人の財産が、公益目的の実施と関係なく過大に蓄積された場合、公益目的に使用されるべき財産の死蔵につながることとなります。そのため遊休財産額が公益目的事業を翌事業年度も引き続き行なうために必要な額を上回ってはならないこととなっています。共済事業に係わる準備金等は、遊休財産と明確に区分しておくことが重要です。
公益目的事業費率を算出するためには、共済事業の事業費の把握が必要となります。共済の事業費には、支払保険金、損害調査費用、責任準備金の繰入額、支払備金等の繰入額などがありますが、これらは保険業法、保険数理に基づいて適正に計算される必要があります。保険料や責任準備金の設定には、アクチュアリー(保険計理人)の意見も求められます。
また共済事業の事業費を見積もる為には、保険業法の各規制に対応するために新たに発生する諸費用(コンプライアンス対応費用、システム導入費用、専門職雇用費用、帳票類整備費用等)も考慮に入れることが重要であり、事業計画策定には保険の専門的知識が必要です。
遊休財産は、特定の目的や使途を持たず保有している財産ですが、公益法人において共済事業にかかる保険契約準備金を、これまで保険業法の規定とは異なる方式により積み立てていたような場合には、保険業法適用後に必要となる準備金の一部が遊休資産と混同されてしまう恐れがあります。
新法人への移行の為の事業計画策定に当っては、法令に沿って保険契約準備金を改めて算出し、これを基礎として共済の事業計画を策定することが必要です。
共済事業を継続する場合、保険業法に従った保険契約準備金の積み立てが必要です。従来、準備金等を保険業法の規定とは異なる方式によって積み立てて来た場合、本来保険契約準備金として備えておくべき金額の一部が公益目的財産と混同される恐れがあります。 従って新法人への移行にあたっては、保険業法等の規定に従って適正な保険契約準備金等を改めて算出し、これを公益目的財産額から控除し区分した上で、公益目的支出計画や共済事業の事業計画を策定していくことが重要です。
現在の公益法人が、一般社団・財団法人に移行するには、移行の時点での純資産を基礎として算定した額(公益目的財産額)に相当する額を、一般法人移行後において、公益目的に支出するための「公益目的支出計画」を策定し、認可を得ることが必要です。共済事業を行なっている場合、公益目的財産額の算出には、移行時の純資産(※)から、共済事業に必要な準備金等を控除することとなりますが、その準備金等は保険数理に基づき、適正に算出されたものであることが必要です。
※共済事業の準備金を純資産科目で積み立てていた場合です。
共済事業を継続する場合、保険業法に従った保険契約準備金の積み立てが必要です。従来、準備金等を保険業法の規定とは異なる方式によって積み立てて来た場合、本来保険契約準備金として備えておくべき金額の一部が公益目的財産と混同される恐れがあります。 従って新法人への移行にあたっては、保険業法等の規定に従って適正な保険契約準備金等を改めて算出し、これを公益目的財産額から控除し区分した上で、公益目的支出計画や共済事業の事業計画を策定していくことが重要です。